あ、断っておくが談話室滝沢はお笑い系ではない。 そう、ボキャ天に例えると、マウンテンが「バカ・パク」ならこちらは「シブ・知」だ。 その滝沢が今月末をもって全店閉店してしまうというのをネット知り、土曜にWさんと新宿に来た際「そういや滝沢今月で閉店しちゃうらしいね」と言ってみた。 W「滝沢って何?」 ヤン「うん、何か変な喫茶店があってさぁ…飲物メニュー全部1000円するの。でもどんだけ長居してもOKだから出版社の打ち合わせなんかでよく使われてるんだよ」 W「じゃあそこ行こうよ」 という事で、約10年ぶりに滝沢へ足を踏み入れた。 10年前、私はまだ高校生だった。 ここで打ち合わせをする漫画家(小説家)と編集さん気取りで、友達と何度か使ったことを覚えている。同人誌の打ち合わせで。 高校生でコーヒー一杯1000円というのはかなり厳しいものだったが、それでも滝沢は、背伸びをしてでも見たい大人の風景だったのだ。 あれから時は流れ、今回の目的はれっきとした打ち合わせである。 この日の私とWさんの関係はイラストレーターとクライアントになる。 載る業界誌の説明やらカットの指定やらをひとしきり終えて店を出ると、おそらくこれが最後の姿になるであろう滝沢の入り口にカメラを向けた。 あの頃の未来に僕らは立っているのかな。 全てが思うほどうまくはいかないみたいだ。